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キノコでダイエット

更新日:2020年5月28日


 低カロリーで植物繊維が豊富。ビタミン、ミネラルもたっぷりで、(ある種の)キノコにはコレステロールや血圧を下げたり、老化を防ぐ成分も含まれているので、ダイエット、健康食の優等生!

 な~んてことがうたわれていますが、本当のところはどうなんでしょう。確かに食品標準成分表(文科省)を見ると、キノコは栄養素のかたまりのような気がします。

 たとえば乾燥きくらげは100g中に310mgのカルシウムを含む、なんてのを読むと、実際にはどのくらいの量なのかはわからなくてもなんとなくスゲーって感じですね。しかしあなた。きくらげ100gなんて食べられますか? おかず一品にはせいぜい5gくらいしか使いませんよ(カルシウム量15.5mg)。焼きシイタケなら頑張って100g(6~7枚)くらい食べられるでしょうが、カルシウムの摂取量はそれでようやく30mg。

 一方、牛乳なら200ccで200mg、丸干しいわし一匹で350mgのカルシウムを摂取できます。これに豆腐四分の一丁とか、小松菜30gとかを合わせると、成人1日当たりに必要な量(600mg)をまかなえます。

 その他ビタミンDやカリウム、マグネシウム、鉄など、キノコに多く含まれているといわれる必須栄養素も、一食分で考えればその他の食品のほうがよほど効率よく摂取できます。なにしろキノコの重量の90%は水分ですから、栄養素の絶対量は微々たるもの。だからこそ乾燥キノコの重量当たり栄養素含有量が突出して見えるのですね。ノリや乾燥わかめも同様ですが、一度に大量に食べられるものではありません。仮にひじきやキノコで満腹にするとしたら、カロリー、脂肪、たんぱく質といったこれまた生活に不可欠な栄養素が極端に不足してしまいます。しかもキノコは「消化が悪いので大量に食べないように」なんてことも書かれています。その限度は200g(生計量)程度らしいですが、そりゃあ毎夕食をキノコ200gで済ませたらダイエット(体重減)になるのは当然でしょう。

 もちろん「キノコだけで健康増進」なんてことは誰もいいませんが、特定食品だけで健康的な食生活が送れるわけはありません。キノコの栄養素、あるいは医学分野での可能性を否定するものではありませんが、キノコが完全食品のように喧伝するのはおかしいだろう、ということです。オオバコダイエット、こんにゃくダイエット、豆腐・春雨・もやし・バジル等々、ダイエット食品は次から次へと紹介されますので、キノコもその一つということに過ぎませんね。

 それよりもキノコを自ら採取したら、「天然なめこは疲労回復に効果絶大!」、「あら、美肌にもいいのよ」なんて思いこみながら食べるとよりおいしい、「これ、店で食べたら1000円はするよな」なんて考えるとさらにおいしくなる、ということでいいんじゃないでしょうか。


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