キノコに親しむ基礎用語
柄(え)
植物の茎に相当。傘の下にあり、全体を支える。俗に「足」と呼ぶこともある。全体が詰まっている「中実(ちゅうじつ)」と空洞になっている「中空」とがあり、同定のポイントにもなる。
管孔(かんこう)
傘の裏(下面)に見られるスポンジ状の部分。別項「ひだ」と同様に、その中で胞子が作られる。
菌輪(きんりん)
キノコの群れが輪のようになって生育する状態。菌環(きんかん)ともいう。英語だと天使の輪、なんてシャレたいいかたもある。
条線(じょうせん)
傘の外周部全体に生じる放射状の線、溝。貝殻の外側のような模様。同定ポイントのひとつで、溝線(こうせん)とも。
中実(ちゅうじつ)
柄の中身がぎっしりつまっているもの。中空とともに、種名判断の助けになる。
つぼ
幼いキノコを包んでいた外飛膜が破れ、柄の下、土に接する部分に残ったもの。
肉
傘や柄の内側の部分。主に食用とする部位で、厚いか薄いか、硬さはどうかで種名を特定することも。
「タケ」か「ダケ」か
蛇足ながら、タケかダケか、でひっかかるかもしれない。マツタケ、シイタケ、ナメタケは無問題。マツダケ、なんて言う人はいませんね。
それがベニテングタケ、ササクレヒトヨタケ、シロタマゴテングタケなど、名前が長くなると、つい
ベニテング「ダケ」と濁って発音しちゃうことがある。しかし、心配無用。キノコの名前はいついかなる場合でも「タケ」。濁ることはありません。ま、「ベニテングダケ」と言ったところで文句を言う人はいないでしょうが。
傘(かさ)
まず目に入る上の部分。最初は丸く、生長するにつれ半球状から平べったくなるものが多い。傘をもたないものもある。
偽根(ぎこん)
にせね・仮根(かりね)とも。柄のもとが植物の根のように伸びたもの。地衣類のそれとは異なり、水分を吸収する役割もある。
子実体(しじったい)
キノコの本質は菌であるため、目に見えない状態で生存している期間もある。それが一定の形まで生長したものをいう。すなわち、目に見えるキノコ全体=子実体といってよい。
中空(ちゅうくう)
柄の状態を示すことばで、真ん中に空洞があるもののこと。太いストローのような状態。
つば
幼菌時にひだや管孔を保護していた内皮膜の名残り。柄の上部に袴のように垂れ下がる。
同定(どうてい)
生物を分類し、種名を調べる・確定すること。これはマツタケ、あれはエノキタケ等、固有名を確認すること。
ひだ
胞子を作る部分で、傘の裏にある放射線状のもの。多くのキノコに見られるが、その状態が密集しているか否か、形や色で種の判断の目安になる。