ルーッカー(Luukkaa)
ヘルシンキ中央駅から直通バス40~45分。バス停に降りたらすぐに森林散策ができる手軽さが魅力。ヌークシオ国立公園の範囲からはわずかにずれるために外国人旅行者にはほとんど知られていませんが、多様な森林美にあふれた自然保護区として地元の人に愛されているのがルーッカー。周囲全域を併せると900ヘクタール(ヌークシオの全体は5000ha)の広さになりますが、その中でも静かな森歩きを楽しめるカイタランピ周辺を紹介します。
カイタランピ(Kaitalampi)
中央駅から現地へ
ヘルシンキ中央駅の西口(Elielinaukio)、中央郵便局の向かいにある23番乗り場(写真上・左)から345番バスに乗ります。目的地はカイタランピ(Kaitalampi)ですが、その停留所は写真上・中のごとし。初めての訪問でわかるわけがありません。
そこで乗車時に運転手に行先を告げておく必要がありますが、途中で運転手が変わったり、そもそも運転手自身が場所を知らないこともあるので、個人で行くにはちょっとハードルが高いかもしれません。ここまでの乗車時間は約45分。
また、345番のバスは一時間に一本。行きはともかく、帰りの時間は必ず確かめておきましょう。
カイタランピ(ルーッカー)のハイキング地図は、写真上・右。クリックで拡大pdfファイルが入手できます。
カイタランピの停留所で下車したら、進行方向右(北)の林に入り、ハルコランピ(Halkolampi)を目指します。前掲地図の左側、中央よりやや上です。駐車場を超え、森の中を500メートルも歩くと湖が目に入ってきます。
その先に写真左のようなたき火場、その手前にはトイレもあります。ここからは興味・体力に応じてコースを選べますが、周遊ルートなら2キロもしくは7~8キロのいずれか。工夫をこらせば3~4キロのハイキングにすることもできます。
ハルコランピの入り口
丘の上から湖を眺める
ハルコランピ(Halkolampi)ハイキングコースの入り口。ぬかるんだ湖畔に置かれた木道は整備不十分で、一部、足元に不安を感じる箇所があります。とはいえ、踏み外しても靴が汚れる程度です。その後、かすかな踏み跡をたどって高台に向かいます。「道」などはありませんが、湖を一周すればよいので迷うことはないでしょう一回りすると約1.5km。
カイタランピへ
カイタランピの楽しみ方は二つ
まず一つはハルコランピでの短時間ハイキングでは物足りないので、ついでにカイタランピの一部を覗いてみようというケース。その場合、ハルコランピでしばらく時間を過ごしたらスタート地点の焚火場前の小道を南方向に直進。バス通りの下をくぐるとカイタランピが見えてきます。
300メートルも歩くと写真上のような桟橋が。その近くにも焚火場があります。一般的にはこの辺りで展望を楽しみ、バス停に戻るのが無難です。同地は釣り人に人気の場所で、ニジマス、カワカマス、ブラウントラウトなどが生息(放流含む)していますが、釣りをするには入漁料が必要です。
続いて、カイタランピそのものを味わいたいという場合。全長1.3㎞の湖の周囲4キロを、2時間ほどかけてめぐることができます。この場合、バス停から南方向の小道がスタート地点になります。ハルコランピコースとは逆方向。道などは無いも同然、ルートを示す目印もごくわずかなので、覚悟の上で挑んでください。登山経験がなければ迷うのは間違いありません。
それだけにハイカーに逢うことは極めて少なく、湿地帯、岩稜地域、峡谷といった原生林の魅力を満喫できます。
まとめ
地域区分としてはヌークシオには含まれないとはいえ、距離的にはわずか2キロ離れているだけ。しかもヌークシオ以上にフィンランドらしい森と湖を体感できます。加えて2キロから4キロ、イージー・ハードとお好みに応じたコース設定が可能。名(ヌークシオ)より実(自然美)を取るなら断然おすすめ。