Akansieni
●和名 カラカサタケモドキ (ハラタケ科カラカサタケ属)
●学名 Chlorophyllum rhacodes
●生育環境 中~南部の森、野原。針葉樹周辺に多い
●季節 8~10月
●食毒 ★
●特徴
傘表面の大きな鱗片(うろこ状の突起)が最大の特徴。同様の外見を持つ種は少ないので、一度見たら強い印象が残るはず。幼菌のころは丸い傘が生長とともに大きく、平たくなって開いていく。その容姿はまさにカラカサ(唐笠)である。
傘の直径が10センチ以上なのは普通で、30センチくらいになることもある。草むら程度の林にも生育するありふれた種目。一番上の写真はちょうど一家集合という感じなので、生長の過程がわかる。
フィンランド語名は「akan」の「sieni」という構造。sieniは別項で触れたようにキノコの意味だが、akkaは女性に対する一種の蔑称。かなりヒドイ意味となることもあるが、ここでは「おばさんキノコ」と訳すにとどめておこう。
日本では毒、もしくは食用には適さないとされているが、フィンランド産のそれは食用可である。ただし苦みがあるため、下ごしらえとして煮沸する必要がある。
和名が~モドキとされていることから、じゃあ本家はなんだ、と思った人もいるでしょう。カラカサタケ(Ukonsieni)がそれ。両者の外観はよく似ているが、本家はモドキに比べいっそう大きく、傘は30センチ、高さは50センチに至るものもある。加えて鱗片は柄の部分にも及ぶ。つまりまだら模様があるので識別できる。モドキは左写真でも確認できるように、柄は白くて平滑(なめらか)である。さらにモドキには、柄を傷つけると赤く変色する特徴がある。
Akansieniがおばさんキノコなら、Ukonsieniはおじさんキノコか、というとその通り。おばさんより一回り大きいので ukko =おじさんと命名したのだろうか。
なお、akka=おばさん、ukko=おじさんというのはかなり温和に訳したものなので、フィンランド人に面と向かって口にするのは控えたほうがいい。
これはukonsieni(カラカサタケ Macrolepiota procera)。
可食。日本では加熱必須のようだが、フィンランドのキノコ図鑑では生食も可、とある。