Haavanpunikkitatti
●和名 アカエノキンチャヤマイグチ
(イグチ科ヤマイグチ属)
●学名 Leccinum aurantiacum
●生育環境 混交林、ハコヤナギを好む
●季節 7~9月
●食毒 ★
●特徴
傘の形は饅頭型にはじまり次第に広がってゆき、肉厚のがっしりとした半円形を作る。直径は25センチに及ぶこともある。傘の表面は乾燥気味で、色は薄茶(金茶)~オレンジ。 punikki(語源は赤) の名がつくイグチは同系色の傘を持つ。フィンランド語名を分解すると、 Haapa(ハコヤナギ) の punikki (赤い) tatti(イグチ)という構造だ。
イグチ科の特徴である菅孔は白。その孔は非常に細かく、生長にともなって灰色がかる。湿気により濃さも増す。柄はまっすぐに太く、全体がほぼ真っ白。そのため表面の繊維状の模様はみえにくく、どこが赤柄なんだと思うが、古くなると赤茶をおびてくる。ヤマイグチやキンチャヤマイグチは若い頃から柄に黒いだんだら模様がある点で識別できる。全長は8~20センチくらい。
日本語名はヤマイグチ(Leccinum scabrum)+キンチャ(Leccinum versipelle)+アカエノ(本種)という三段構造でいささかくどい。ヤマイグチ、キンチャヤマイグチ及び本種と、それぞれ別物だが、名前が長くなるにつれて見た目が美しくなると私的には思う。
日本では一般的ではないようで、手持ちのきのこ図鑑(1000種収録)には掲載されていない。東北~北海道では見られるらしいが、いずれにせよマニア向けといえよう。それなのに日本語を学ぶ外人用の単語集(Japanese vocabulary for English speakers:7000語レベル)に収録されているのはどういうことだ? アカエノ・・・なんてキノコ名が会話にのぼることなど、普通はありえないでしょうに。
アカエノキンチャヤマイグチを使ったカルボナーラ。生クリームも入れたが、本種は香りが弱いのでバター+クリームの風味に負けてしまった。