ハイキング入門
ヌークシオの2~4キロコース、林道往復を合わせても3~4時間の歩行であれば特段の配慮は必要ありません。街中を30分以上歩ける体力がある人なら、だれでも気楽に森林浴を楽しめます。散歩の延長。暖かい季節ならTシャツ・短パン、サンダル履きでもかまいません。が、とはいえ、自然をなめてはいけません。この地をフィンランド人は「森」といいますが、実質的には「山」です。その環境は本州の1000~1500m程度の亜高山地帯に相当します。日本でいえば上高地周辺に相当。フィンランドの天候は変わりやすいのが特徴。これ、すなわち「山」ですね。加えて目に見えない危険もあります。現実的にはほぼ心配する必要はありませんが、山歩きの基本は知っておいたほうが良いでしょう。
ウォーミングアップ
ハイキングのスタート地点でのウォーミングアップ。柔軟体操といいますか。これは大切ですね。そんなことをしてはいけない、という意味で大切なので覚えておきましょう。どうしてもということであれば、首を2~3回まわすとか、背伸びするとか。特に団体ツアーでトゥルクあたりから2時間ほどバスに乗ってきたような場合、柔軟体操は危険なことがあります。経験あるガイドなら、最初の3~5分くらいの歩行を(無言のうちに)ウォーミングアップにあててくれるはずです。
ちょっと背中、伸ばそうかな、というくらいにしておくのが賢明。
疲れずに歩く方法
水の飲み方
ヌークシオの平坦なルートを3~4時間歩く程度なら「疲れる」ほどのことはないでしょう。むしろ新鮮な空気を吸い込んでの運動は、体を活性化させてくれるはずです。
とはいえ、疲労を軽減する技術はいくつかありますので、だれにでもできる簡単なものを紹介しておきます。まずアタリマエなこととして、ゆっくり歩くのが基本。団体ツアーだと難しいですが、自分のペースで歩くのがさらに大切。
長距離を歩くなら歩幅は短めに、一定の速度を保ちましょう。そして「疲れる前に」休みましょう。歩き始めて10分。その後は20分おきなど。疲れてからだと、休憩時間もおのずと長くなります。
疲れずに歩くための休憩の取り方と同様、やはり早めに対処します。「喉が渇く前に」、「少しずつ」飲むのが大事。
スタート時に一口。最初の休憩で一口。喉の渇きを感じてから水を飲むと摂取量は増えがちになり、その後の疲れにつながります。
もし水がまったくなくなった場合は木の葉を噛む、小石をしゃぶるなどの方法が残されていますが、これは生死を隔てるサバイバル技術。ヌークシオで必要になることはありえませんね。
持ち物・服装
完璧なスタイルながら、ここまでの必要はない。
春~秋の2~3時間コースなら特別な用具・服装は必要ありません。市内観光の延長で十分。天気が良ければTシャツ・短パン・サンダルでも「歩きとおす」にはなんら問題ありません。持ち物はデイパック(リュック)に入れたほうが楽なのはいうまでもありませんが、ショルダーバッグでも困りはしません。
しかし、いかにお手軽なコースであろうとも自然界に踏み入るわけですから多少は配慮したほうが快適にハイキングを楽しめるでしょう。最低限のアドバイスとしては、なるべく肌を露出しない服装にすること、です。また、フィンランドの天候は非常に変わりやすいので、雨対策は必須。ビニールカッパ、ポンチョが〇。折り畳み傘でもOKです。
以下、持ち物についての補足
・靴 無雪期なら履きなれたスニーカーがベスト。おしゃれなウォーキングシューズでもいいが、泥にまみれる可能性あり。
・水 500㏄くらいのペットボトルを持っていたほうがいい。湖の水も飲める。
・スナック なくてもいっこうにかまわないが、あると楽しさ倍増。
・虫よけ剤 ベリー摘みなどで森林内に長時間停滞しない限り、ほぼ必要なし。