Mänty
●和名 ヨーロッパアカマツ(マツ科マツ属)
●学名 Pinus sylvestris
●開花期 6~7月
誰が見てもマツ。松以外にはありえないという説明不要の針葉樹。
もちろんマツにも数多くの種類があるので、枝ぶりや葉を見るだけで種名を特定できるのは専門家に限られるが、森林内なら幹に注意すればよい。下部の樹皮は灰褐色だが、上部はオレンジもしくは薄茶色。これもまた「アカマツ」を保証する特徴だ。
なーんてことを考えなくても、フィンランドおよび北ヨーロッパに自生するマツは本種しかないといってもよいので、結局誰にでもわかるのです。
LapinmäntyとかSalomäntyという変種もあるが、まず目にすることはないし、判別はできまい。トド松、イチ松、おそ松を区別できないのと同じである。
フィンランド語の正式名称はmetsämänty(森の松)だが、これは外来種と区別するための専門用語と考えてよく、一般にはmäntyという略称が流布している。
その反面、方言もしくは愛称としての呼び方もある。たとえば西フィンランドではhonka、東部ではpetäjäなど。
フィンランドの樹木の過半数を占める身近であるし、建築や家具の材料として商業的にも重要な樹木なので、それだけ親しまれているということだろう。
意外なことにマツは食用にもなる。球果(松ぼっくり)が青い実のうちは煮込んだりジャムにして。あるいはハーブや家畜の飼料に。19世紀後半にフィンランドを襲った飢饉の際には、樹皮の裏の柔らかい部分を食用にしたり、ガムの代用品にもされていた。
こうした加工は今や素人には無理だろうが、葉っぱの利用は簡単。そのまま煮だしてお茶として楽しめるし、天日で干せばなかなかの逸品になる。。これは簡単かつ実用的。
なお、日本のアカマツは学名がPinus densifloraで、本種とは若干異なる。アカマツの葉はまっすぐに伸びているのが特徴。