2015.9.12 AM10:00撮影
同日 PM15:00撮影

 Harmaamustesieni

 

●和名 ヒトヨタケ(ナヨタケ科ヒトヨタケ属) 

●学名 Coprinus atramentarius  

●生育環境 林、草むら、公園の芝生

●季節 7~10月

●食毒 ★

●特徴

 灰色がかった茶色で卵型の傘が特徴。しだいに釣鐘型になっていくが、表面の鱗片が衣のような光沢を放ち、独特の形を見せるので同定は簡単。高さ7~10センチ、幅4~8センチ程度。南部フィンランドではごく普通に草むらで見かける。

 ヒトヨタケを漢字で書くと一夜茸。一晩限りのキノコの名にふさわしく、子実体となってからの成長が著しく早い。朝顔を出したかと思うと夕暮れには老菌と化して傘は溶け、その姿はコールタールをまぶしたようになる。フィンランドではその様子からharmaa(灰色の)muste(墨)と名付けられている。若いうちに採取しても生長は進むので、食用にするなら数時間のうちに調理したい。なお、墨状に溶けるのは自己消化のためで腐っているわけではないが、そうなると食べるのは柄の部分だけにしたほうがよい。

 また、若いうちであっても、食用には注意が必要。本種自体は毒ではないものの、アルコールと併用すると強度の二日酔い状態を引き起こす。飲みながら食べるのはもちろんのこと、食後3~4日はアルコールは控えるべきだとされている。さらに、体内にアルコールが残っている場合にも影響があるので、2少なくとも飲酒の翌日にヒトヨタケを食べるのは避けたほうがよかろう。この辺をうまく利用して、少量の酒で深く酔う、なんてことはできないだろうなあ。
 なお、近似種のササクレヒトヨタケはアルコールとの併用もOKらしい。

朝見かけたヒトヨタケが夕方には溶けている、といった変化を観察できるのがおもしろい。