確かにフキの葉だ
こちらはタンポポの綿毛
Leskenlehti
●和名 フキタンポポ (キク科フキタンポポ属)
●学名 Tussilago farfara
●生育環境 日当たりのよい野原、道沿い
●開花期 4~6月
●特徴
春。雪融けとともに真っ先に咲き始める。したがってこれこそ「雪割草」といいたいところだが、その愛称はミスミソウに与えられてしまった。和名は外見がフキとタンポポの双方に似ることから名付けられたのであろうことは推測できる。たしかに初春の開花時(写真左上)に花弁を見ればタンポポの仲間であることはわかるだろう。しかし、これのどこがフキなのだ? 茎にはツクシの袴のような鱗片状の小葉がついているだけ。これが葉っぱとは気づかないかもしれない。
しかし花が枯れる6月末ごろから葉っぱ葉が特徴的な形に変わってくる。 10~20センチの扇状の葉が花が散った跡地を埋め尽くす(写真左中)のだ。その外見はまさにフキのごとしであるが、開花時に葉っぱはなく、葉が育つころには花がないので、フキ+タンポポを同時に実感することはない。命名者は長年の観察をしたのだろうなあ。
フキとタンポポの組み合わせは意外に思えるが、両者ともキク科に属するのでなんとなく納得。ちなみにフキは学名=Petasites japonicusから分かるように日本原産。
この葉は9月中旬くらいまで青々とした姿を保ち、次第に枯れていくが、年によっては10月下旬まで残ることもある。そんな習性がフィンランド語名の語源かもしれない。
leskenlehtiというのはleski(未亡人)のlehti(葉)という意味だからだ。つまり、花が散った後に未亡人としての葉っぱが永らえる、ということ。
煎じて服用すれば、咳を静め痰を切る薬用があるそうな。