
ちょっと育ちすぎの感

緻密なヒダと大きなツバが特徴

密集して生えることが多い
Peltoherkkusieni
●和名 シロオオハラタケ (ハラタケ目ハラタケ科)
●学名 Agaricus arvensis
●生育環境 中南部の草原、牧場、庭など、開けた土地。
●季節 8~9月
●食毒 ★ 日本では毒扱い
●特徴
キノコを英語でマッシュルーム(mushroom)という。そんなことは誰でも知っているだろうが、では「マッシュルーム」という名前のキノコを知っているだろうか。さらにはその日本語を。
英語のマッシュルームはキノコの総称であるとともに、個体種の名前でもある。
スーパーなどで「マッシュルーム」として売られてるやつね。白くて丸いの。それを日本語ではツクリタケという。栽培キノコの代表なので、“作るキノコ”というのが名前の由来。そのフィンランド語名であるherkkusieniというのは“おいしいキノコ”という意味。
前書きが長くなったが、ここで紹介するpeltoherkkusieniは”野原のおいしいキノコ”という意味で自然繁殖しているツクリタケということもできる。
幼菌の傘は半球形。その後7~15センチ幅のまんじゅう形に広がる。表面は渇いている。次第に黄色味がかる。
ヒダは密。生長につれて黒褐色に。柄は5~14センチ程度の棍棒状。
かすかに木の実の風味が感じられるおいしいキノコ。ただ、注意点が二つ。
一つは採取場所。ほぼどこにでも生えているおり、道路わきでも見つけることができる。そうした場所のキノコは排気ガスで放出される重金属を蓄えてしまうから、むやみな採取は控えたい。
また、幼菌は猛毒のドクツルタケに類似しているので、うっかりそちらを摘んでしまう恐れがある。実際、年に1~2件は誤食による中毒が報じられている。ただし、この10年ほどは死亡事故にはつながっていないもよう。
