

小さな棘だが、猛烈に痛い

Nokkonen
●和名 セイヨウイラクサ
●学名 Urtica dioica
●生育環境 野原、道路沿い、畑、荒地、庭。つまりほとんどどこでも。
●開花期 7~9月
●特徴
30~150cmに育つ多年草。葉は卵形で対生、葉縁は鋸歯状
フィンランド語のnokkonenは科名および属名だが、通常はIsonokkonen(セイヨウイラクサ)を指す。
生育環境の項に記したように、ほぼ全国の至るところに生え、たいていは群生している。
見た目は雑草と言ってよく、さしたる関心は呼ばないだろうが、覚えておくとよい品種である。
というのは、この草はギ酸、セロトニン、ヒスタミン、シュウ酸などの毒を含んでおり、痛い思いをするから。
葉の裏、茎に鋭い綿毛(厳密には棘毛)が密集しており、少しでも触れると各種の毒素が皮膚を刺激して焼けただれるような強い痛みを感じる。その痛みは数時間続くことも珍しくなく、酷い場合にはアナフィラキシーを引き起こすこともあるそうだ。
素手で触れないようにするのは当然ながら、薄手のシャツなどは突き通すこともある。短パンで草原を歩き、そうとは知らずにイラクサの群集に踏み込んだら大変なことになる。長さ2センチくらいの若葉でも、誤って触れようものなら一瞬にしてピリピリと激痛が走る。
なお、イラクサは棘草と書くこともある。別名はイタイタグサ。痛痛草を意味する。
栴檀は双葉より芳し、イラクサは若葉より痛し
そんな ”危険” なイラクサだが、食用には優等生。カルシウム、マグネシウム、ビタミンC、鉄などの栄養素があり、タンパク質や食物繊維も豊富。イラクサを原料としたサプリメントもあるくらいだ。
食用に適したイラクサは5~6月の若葉。採取に軍手は必須だが、棘が縫い目から入り込むことがあるので、皮手袋がいい。焚き火用とか作業用タイプのやつ。
軽く水洗いしてから茹でる、炒めるなどで熱を加える。そうすると棘が気にならなくなる。
おひたし、スープ、肉料理の付け合わせなど、なんにでも使える。ま、ほうれん草の代用と思えばよい。
特別においしいとは思わないけど、「春の味」を楽しむことができる。
群れを成して生えることが多い



