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シダレカンバの葉

 Hieskoivu

 

●和名 シッチカンバ(カバノキ科カバノキ属)

●学名 Betula pubescens

●生育環境 湿った場所を好む

●特徴

通称シラカバ、正式和名シラカンバ。フィンランドには3種類あり、本種の正式名称はシッチカンバ。
あとの二つはシダレカンバ(rauduskoivu)とヒメカンバ(vaivaiskoivu)。前者は別項参照、後者は主にラップランドに育つ。日本にはない。

高原の樹木のイメージにぴったりなシラカンバ。日本だと本州の1500メートル程度、あるいは北海道に多く見られるため、そう思うのも無理はない。しかし全土が亜高山帯といえるフィンランドでは海抜ほぼゼロメートル地点から生えている。なにしろ住宅街の道端にも日本の高山植物がいくらでも自生してるしね

シラカンバもヤマナラシ同様の”先駆植物”。山火事などで森林に空間ができると、最初に勢力を伸ばす植物だ。そのため、シラカンバが密集している場所は新しい林だということがわかる。時がたつにつれ、トウヒや松などの針葉樹が主流派になっていく。

シダレカンバの項でも触れているが、両者を区別するには葉っぱに注目する。シダレカンバの葉は三角形に近く、その縁にノコギリを思わせる鋸歯がある。一方、シッチカンバの葉は丸みを帯びている。

また、シダレカンバは生長に伴って幹の表皮がくすんでくるが、シッチカンバは15メートル以上に育っても白さを保っている。

シッチ・・の名の通り、湿った土壌を好むが、同じような場所にシダレカンバ育つので、生育環境だけでは識別できない。

キシリトールがシラカンバの産物であることは広く知られているが、シラカンバはそのほかにも有用性が高い。栄養素についていえば、初夏の葉っぱに含まれるビタミンCは100g中に200mg。同重量のレモンの2倍である。加えてたんぱく質や炭水化物も野菜(?)としては高水準の含有量。糖分はキシリトールだから、文句ない栄養食だ。春先には幹に釘をさし、滴り出る樹液を集めて飲んだりもする。それを煮詰めたり、葉っぱを煮出せ汁は皮膚の炎症を抑える薬にもなる。

 

簡単にむける樹皮は油分を含んでいるため焚火の焚き付けに重宝するし、殺菌作用があるために食料をこれに包んだりもしていた。昔、日本でもタケの皮におにぎりを包むことがあったが、それと同じことだ。

樹皮の加工も簡単なので、携帯カップを作ったり、ロープをよることもできる。もっともこれはサバイバル技術もしくは趣味の範疇なので一般的ではない。

そのほか大昔のことではあるが、衣服にしていたこともある。これはエストニアなどの中世祭りで見ることができる。

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