食えるか食えぬか


 キノコに親しむ楽しさの一つは実際に食べることにある。初心者がフィンランドの森でキノコ狩りをする場合、はたしてコレは食用か否か、図鑑で見たアレに似てるけど確かにそうだろうか、と及び腰になるだろうが、現実的な危険は少ないかもしれない。そのレベルだと、まちがいなく食べられるであろうものしか採取しないからだ。むしろ日本でキノコに深く親しんでいる人のほうが危ないかもしれない。というのは日本でおなじみのキノコでもご当地フィンランドでは毒であったり、食用に適さないものもあるからだ。その逆、つまり日本では食べないけど、こちらでは食用というもののある。

 極端な例はシャグマアミガサタケ(korvasieni)。たいていのキノコ図鑑では猛毒キノコとして掲載されており、それは日本・フィンランド共通。しかし煮沸を何度か繰り返して毒抜きをすれば食べられるようになり、フィンランドでは人気も高い。日本でもその手法を取り入れて食している人もいるが、どちらかといえばマニアックな人々だから今後も一般には普及しそうにない。したがって、このキノコを無条件に食べる人は日フィンともにいないはず。しかしドイツのそれは性格が違う(らしい)。

 これはフィンランドのネイチャーガイドに聞いた話なので断言はできないのだが、ドイツのシャグマアミガサタケは下準備をしなくても食べられるそうだ。そのためにかつては大きな悲劇が引き起こされた(これは史実)。

 時は第二次世界大戦末期。ラップランドに駐留していたナチスドイツ軍はフィンランド軍に追われて撤退。食料不足の中、このシャグマアミガサタケをみつけて食用とした。見間違えることのない種類だし本国ドイツで食べ慣れたものであるため、下処理(毒抜き)はしなかった。そのため多数の兵士が命を落とした…。

 日本とフィンランドのキノコではここまでの差はないものの、食用にあたってはフィンランドで発行された図鑑で調べなければ安心はできない。


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