少し前のことだが「この夏は、害虫(蚊・蜂・ダニ)が異常に多い」という苦情が役所に多数寄せられているとラジオニュースが流していた(2018.7.30)。え、そうかあ? むしろ今年は少ないんじゃないか? というのが私の第一印象。番組の解説は私の直観が正しいことを裏付けるものだった。
害虫が大量発生することは年により、場所により珍しいことではない。しかし今年のフィンランドでそうした異常事態が確認されたわけでない。ではなぜ虫に関する苦情が殺到したのか。それは今年の天気に由来する。とはいえ、好天・猛暑が害虫を大量発生させたわけではなく、外(自然)に出る人々を増加させたのである。
つまり、「天気が良い、暑いせいで人々が外で過ごす時間が長く、そのため害虫に煩わされる機会が増えただけ」ということだ。確かに今年は5月以降、現在まで晴天・猛暑が続き、湖や森にと多くの人が自然の中に出かけている。一方、昨年は雨が多く気温も低かったので、外で過ごす時間は今年に比べれば圧倒的に短かったはずだ。そこで「去年は虫が少なかったけど、今年は多い」という感想を持った、と。事実とは全く関係のない単なる印象。
人間と言うのは、自分の主観を物事の判断基準にするという一例。そりゃしょうがないというか、普通のことだ。しかし、何か新しい体験にもっともらしく説明された場合、ホントにそうか? と疑ってみると意外な面白さを発見できることが多いよね。