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テンペリアウキオ教会有料化


「もはや耐え難い状況・・・」として観光客から入場料を徴収することを決めたのが2016年の6月。当初は団体ツアーのみを想定していたが、結局は個人旅行者も対象になった。17年1月から適用。一人3ユーロ。教会の会員および18歳未満は免除。


 同教会への訪問者は年間60万人を超すといわれている。今回の有料化が入場者数の減少を招くことは想像できるが、団体客自体が減ることはないはず。パッケージツアーからテンペリアウキオ教会をはずすわけがないからね。他に行くところないんだから。一方、教会側も団体客の総数はかなり正確につかんでいるので(総訪問者の7割)、収支の見込みは立てたうえでの決定であろう。


 そんなわけで、個人観光客が減ったとしても40万人(団体ツアー)は訪れるだろうから、教会の収入は120万ユーロ(約1億4000万円)を超えるであろう。莫大な額である。修繕や維持にどの程度の費用がかかっているのかは不明だが、昨年までは観光収入はほぼゼロだったのだから。


 観光地の有料化。観光客にとってはありがたくないが、教会および信徒にとっては大歓迎なのではないか。年間60万人が訪れる名所という肩書は名誉ではあろうが、彼らにとって実質的な利益はない。むしろ礼拝に来る信徒にとって、観光客は疎ましい存在かもしれない。有料化によって”他人”が近づかなくなったほうが好ましいのではないか。

4~5年前までは教会を取り巻くように大型観光バスが停まっていたが、今では近づけなくなっている。少なくとも100m、場合によっては300mほど離れたバス専用駐車場での乗り降りを余儀なくされている。確かに近隣住民にとっては邪魔でしかないからなあ。


 気になるのは他施設への波及効果である。市内教会のもう一つの雄、大聖堂もやはり年間60万人の訪問客を迎える観光スポットの目玉だ。こちらはフィンランドの象徴ともいえるし、立地条件を考えると実際の訪問者はさらに多いのではないだろうか。同所ではカウントしてないみたいだし。であれば、テンペリアウキオの成り行きを見て追従する可能性もあるということ。もっとも、テンペリアウキオは入場しなければ意味はないが、大聖堂およびウスペンスキー寺院は外観を見るだけでも十分だから、同様のアプローチをとるかどうかはわからないが。



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