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二つのメトロ



 ヘルシンキには二つのメトロがある。メトロと言って誰しもが即座に思い浮かべるのは地下鉄だろう。ヘルシンキにもメトロの名で親しまれている地下鉄がある。


 しかしメトロの語源はフランス語のME'TROPOLITANで、首都の、という意味。本来は地下鉄を指すわけではない。パリに地下鉄が開通したのは1900年だからロンドンの1863年に大きく遅れるが、パリの地下鉄網は他国に秀でていたため、諸外国でもその名称(略称)であるメトロが地下鉄の代名詞になったわけだ。日本はもちろん、ローマ、アムステルダム、バンコクなどでも使われている。


 言葉本来の意味を考えると、ヘルシンキ周辺ではもうひとつのメトロのほうがその名にふさわしい気がする。このメトロはというのは、首都圏(ヘルシンキ、ヴァンター、エスポー)で配布されている無料の日刊紙。最近はフィンランド最大の新聞社であるヘルシンギンサノマットがスポンサーとなったため、HSメトロと名を変えた。


 地方紙ゆえに、記事内容は首都圏での生活に密接したものが多く、ヘルシンキ住民の習慣やイベントの紹介、新しい建物がどうした、ヴァンターに麻薬が持ち込まれたとか、雑談に属するものが幅をしめる。とはいえ国際ニュースやスポーツ、芸能、家庭欄、もちろんTV欄もあり、一般的にはこれだけ読んでいれば十分といえる。


 個人的には毎日2題が掲載される「数独」が楽しみ。フィンランドでも人気あるんですよ。



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5月1日

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