今年最後の晴天日まちがいなしということで、行ってきましたヌークシオ。今日は観光客皆無のソイディンスオ(Soidinsuo)コース。国立公園全体からみると南西部。基本的には道なんてものはないので、何度も通うか地図が読めるかしないと堂々巡りするかもしれない。
それでは入山者が少ないかというとそうでもなく、この時期になるとキノコ狩りにおもむく地元民は多い。いたる所に大量のキノコが生えてくるからだ。とはいえ観光コースのハウッカランピ周辺に比べれば圧倒的に静かで自然の恵みも豊富。キノコ狩りのエキスパートはそれぞれ秘蔵の場所に向かうのだろう。他人とすれちがうことはめったにない。
一歩間違えば迷いそうな森林で藪漕ぎをして高台から沼を見下ろし、また踏み跡を探して湖に降りる、なんてトレッキングを誰にも邪魔されることなく楽しめるのが魅力である。ほぼ原生林に近いエリアなので豊かな自然を味わえるのだが、良いことばかりではない。
もう夏も終わりだからと楽観していたのだが、森に入ると即座に襲われましたよ。まさかと思ったけど、この感触はアレに間違いないと確信。しかし姿がなかなか見えない。まだ活動していたか。
なんのことかわからないだろうけど、正体を書いても多分おなじ。アレというのはシカヒツジシラミバエのことなんだけど、ね、わかんないでしょ。シラミバエの仲間といってもわからない人のほうが多いはず。日本にも生息しているらしいけど、これまで日本での登山経験で遭遇したことはないし、山仲間の話に聞いたこともない。しかしフィンランドの深い森にはいくらでもいて、非常にやっかいな相手だ。
シラミバエなんて名前を聞いただけどもムズムズしてくるが、これにたかられる感覚はまさにムズムズ。見た目はハエに近いんだけど、一般的なイエバエより一回り小さくて全長7~8ミリくらい。いつのまにか髪の毛やシャツの中に入りこんでくる。なんか髪の毛がもぞもぞするなあ、と思ったら間違いなくコイツが侵入している。Tシャツの下を這いずり回ったりもする。今日は何回も眼の中に入りそうになった。
獣をメインターゲットとする吸血性昆虫だけど、ときおり人間の血を吸うこともある。そして人によってはかゆみが2~3日続き、噛まれた痕が10日くらい残るケースがあるようだ。幸い個人的にはそうした経験はない。知らない間に噛まれたことくらいあるだろうけど、気になる症状が現れたことはない。しかし、髪の毛に潜られたり、体表を這われる感触は非常に不愉快。蚊より始末が悪い。まあ、ダニに比べればましか。
写真を撮って掲載したいところだけどそんな余裕はないので、今回は国立公園の看板でごまかしてしまいました。フィンランドで最も恐ろしい生物=マダニの紹介はまた別の機会に。