昨年(2015年)、日本ではキノコの当たり年だったそうだが、フィンランドでは不作。アンズダケやヤマドリタケ、コガネタケにヒトヨタケなど、毎年決まって発生する場所に足しげく通ってもその片鱗すらなかった。普段は見向きもしないベニテングタケすらその気になって探さないと見当たらない次第。食用キノコもあるにはあるものの、仕事の合間に森に入るペースでは、すでに朽ち果てた姿を目にするのみ。
9~10月に旬を迎えるキノコが豊作になる条件は、夏暑く秋口に雨が多いこと。理想的なパターンとしては、6月後半から8月上旬まで晴天が続き、9月には気温も下がって多めの雨に恵まれるというもの。この15年ほど四季の移り変わりには微妙な変化があるものの、おおむねそうした推移なので、いつどこに行けば何があるというのはある程度の予測はつくのである。
ところが昨年はほぼ空振り。穴場というほどではないにしても、あまり人が入らない場所にも痕跡は皆無。いたづらに摘んでみたという形跡もない。キノコそのものが少なかったのである。なにしろ強い陽射しが求められる6~7月が寒く、真夏を感じたのは8月に入ってからの2週間ばかり。間を置くことなく秋になり、キノコ育成に大きな味方であるはずの雨も、低気温下で絶えまなく降り続いてはただただキノコを腐らせるだけだった。
そこで今年(2016年)に期待していたのだが、状況は似たようなもの。5月から今日まで、爽快な晴天は10日くらいしかなかっただろう。そして雨も多い。そんなわけで、今年もいまのところはキノコには恵まれていない(5~7月に収穫できるものも多い)。
あと2週間で夏も終わりだから、今年もまたダメかなあ。
雨にたたられて腐るkangastatti(和名なし)。 撮影は2015年10月上旬。